【ウィキペディア】世界一孤独なクジラのおはなし
みなさんこんにちは、expaです。
Wikipediaで時間を無駄にした経験がない人って、30代以下だとほぼいないんじゃないでしょうか。
必要なことを調べている間に関連項目やら文中のリンクやらでどんどん横道に逸れていって、最終的には数時間消えてなくなってるなんてよくある話です。
自分なんかは節度がないのでほぼ一日無駄にしてしまったりとか気がついたら朝だったりしたことがなんどもあります。反省しよう。
ちなみに、日本語版Wikipediaの項目数はすでに105万以上だそうです。そりゃあなんでも載ってるわけだ。
こうして、Wikipediaで貴重な青春を無駄遣いしてきた自分ですが、そのぶん、面白い記事も結構見つけました。
今回はその中から、世界一孤独なクジラのお話をします。
52ヘルツの鯨
そのクジラは、52ヘルツの鯨と呼ばれています。
まずはWikipediaを見てみましょう。
この鯨はおそらくこの周波数で鳴く世界で唯一の個体であり、その鳴き声は1980年代からさまざまな場所で定期的に検出されてきた。「世界でもっとも孤独な鯨」とされる。
他にも、こんなことが書かれています。
- 52ヘルツの鯨の軌跡には、他の種の鯨の動きや存在との関連が見られない
- どんな生物学的な原因があるにせよ、そのまれな高周波の声がこの鯨の生存の妨げになっているわけではないようである。この鯨が生存しており、おそらく成熟していることからして、この鯨はおそらく健康である。にもかかわらず、その独特な呼び声に類するものは他になく、その源はたったひとりである
※太字は引用者がつけたもの
なんか……読んでいるだけで寂しくなってきました。
想像を絶する孤独さ
このクジラはナガスクジラ、またはシロナガスクジラであり、群れをつくる種類のクジラではありません。
また、クジラがその声によってコミュニケーションを取っているかどうかもよく分かっていないそうです。
が、もしクジラが声によってコミュニケーションを取っているとしたら……
クジラの声の周波数域(声の高さの範囲)は一定に収まっているそうですから、このクジラの声は仲間から認識されることはまずないでしょう。
また、このクジラは回遊しています。
ルートはこちらの画像に。
引用元: A Lone Voice Crying in the Watery Wilderness : Oceanus Magazine
北米大陸の西海岸をひたすら漂っていることがわかると思います。
広い太平洋の中、誰にも認識されることなく、たったひとり孤独に泳ぎ続ける……
われわれ人間には想像を絶する世界です。
クジラはとても賢いそうですが、どんな気持ちで生き続けているんでしょうか。
もしこのクジラが見つかったら
このクジラを扱ったドキュメンタリーや音楽がアメリカにはあるそうで、きっとちょっとした騒ぎになることでしょう。
それから、海洋生物学者はこのクジラをこぞって調べるかと思います。
こうして人間からはちやほやされると思うのですが、それによってクジラとしての孤独が解消されることはないと思うと、なんとなく心に淀んだものが残りますね。
おわりに
身も蓋もないことを言ってしまえば、クジラに意志があるかどうかそもそもわかりませんし、仮にあったとしても孤独なのが当たり前だからなんとも思ってないかもしれません。
人間が勝手に想像して勝手に寂しい気持ちになってるだけです。
けど、こういう生き物が実際に存在すると知ってしまうと、もう勝手にその境遇を想像してしまいます。
というのは、誰でも程度の差こそあれ、孤独が怖いからではないでしょうか。
人間である以上、このレベルの孤独を味わうことはまずないでしょうけどね。
というわけで、今回はWikipediaの記事から「52ヘルツの鯨」を紹介しました。
ときどき思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただいてありがとうございました。