【レビュー】書く力 私たちはこうして文章を磨いた
雑記ブログはじめて5日目、今度は本のレビューを書いてみたいと思います。
今のところテーマ被りなしですね。まあそのうち被ると思いますけど。
今回レビューするのは、池上彰×竹内政明の対談録、「書く力 私たちはこうして文章を磨いた」です。
竹内政明さんといえば、先月こんなツイートが話題になってましたよね。
なんでこんなすごい文章がかけるんだ。。 pic.twitter.com/fI75d5Ls4x
— 公認会計士 武田雄治 (@takeda_cfo) 2017年2月15日
最初にレビューする本がこれだとめちゃくちゃハードル上がりそうですが、まあ誰も始めたばかりの個人ブログに「編集手帳」は期待しないので関係ないでしょう。
文章のプロ同士がお互いのテクニックをぶつけ合う
池上彰と言えば、昔はこどもニュースのお父さん。今は活躍の場を主にテレ東に移し、日々、ニュースを誰にでもわかりやすく解説してくれるジャーナリスト。
かたや竹内政明といえば、かれこれ15年以上読売新聞の一面コラム「編集手帳」を担当し、「天才」と皆が認めるジャーナリスト。
両者とも、ジャーナリズムにまつわる「モノ書き」としては頂点を極めたような位置にいる人です。
その二人がお互いの文章術をぶつけ合う対談をする。
読んでみると、「名文を書き写す」「事実の積み重ねのみで読者に想像させる」「避けるべき悪文の見本」なんていうその道何十年のプロ同士なら自然にこんな会話が出てくるのかよというレベルの話が満載でした。
というわけで、ちょっと読みながら置いていかれるような部分も多々ありました。
じゃあ、素人には役に立たないかあ……と諦めないでください。自分はこの本、買ってよかったと思いますよ。
文章を構成するための「ブリッジ」
プロの人というのは、一般人が全く見えていないものが見えています。
一般人がなんとなく概念としか持っていないものを鮮やかに言語化できる、というのもそれに類する能力ではないでしょうか。
本書では、そういう概念として「ブリッジ」が登場します。
これこそが、自分が「この本を買ってよかったなあ」と思った理由なのです。
「ブリッジ」とは何か?本書で語られているのは、
- テーマと自分をつなぐブリッジ
- テーマと書き出しをつなぐブリッジ
- 冒頭から結論に至るブリッジ
- 文章と文章とをつなぐブリッジ
の大きく分けて4種類です。
この中で、一番「使ってみたい!」と思わされたのは4番目の「文章と文章とをつなぐブリッジ」でしょうか。
竹内氏いわく、
とにかく「書き出し」と「締めくくり」を最初に決めてしまって、その間をどうつなごうかと、がちゃがちゃいじくり回しているとなんとなく原稿ができてしまうことが多いですね。
だそうです。
書き出しと締めくくりを最初に決めてしまう……なるほど。
で、その間は自分の引き出しの中から部品として引っ張り出すんだそうです。つまり、引き出しの多さが文章の流れの巧みさに直結するわけですね。
自分も、薄っぺらさが露呈しないように上手くやりたいと思います。
このPOSTもこの本に救われた
上記の「ブリッジ」のようなテクニックが会話の中で自然に紹介されていくわけですが、実は、このPOSTを書くためのヒントも本書が与えてくれました。
それは、「わかっていることを、わかっている言葉で書く」ということです。
正直、このPOSTを書き始めたときは本書の内容があんまり入ってきていない状態でした。
「とりあえず書いてみるか」と書き始めてはみたものの、どうにも筆が進まない。気が付いたら別のブログとかを見ている。
とりあえず頭を冷やそうと思ってお風呂に入ったのですが、そこでワシャワシャやりながら思い出したのがこの一節でした。
この一節を思い出した瞬間、読んでいるときに「正直、壁を感じたこと」「使ってみたいと思ったテクニック」の2つにスッキリ分けて書くことが浮かびました。
「わかっていることしか書けない」と思い出した瞬間、自分に素直になれたんですね。
そしてそれが、文章を書く上で最も大事なことである。と。
書名の通り、本書はこのPOSTを「書く力」も与えてくれたというわけです。
身につまされる一冊
こうしてブログを書くようになると余計に思うのですが、そうでなくても現代社会は誰もが文章を書いています。
文章を書かない日があるという人って、ほとんどいないんじゃないですか?
こんだけ手軽に文章を書けるようになっちゃったら、パーキンソンの法則ではないですが、そりゃあ誰だってたくさん書くようになるよねえという話。
そういう意味で、これは身につまされる一冊でもあります。
が、確実に力になる一冊でもありますね。
自分も毎日、この本の記憶にいちいち身につまされながら、つたない文章を書いています。
文章に腕に覚えのある方、そうでない方、人を選ばず、ぜひ。